August 27, 2008

Wolf Creek の原子力発電所の配管スキャン

Exact Metrology, Inc.社は、今年の3月にカンサス州Burlington にあるWolf Creek Nuclear Generating Station の配管を、Leica HDS 6000 を使ってスキャンを行った。 代表であるDean Solberg 氏によると、 合計800 時間のプロジェクトであり、15 の部屋の配管設備を4 人でスキャンした。スキャン後6 週間か けてデータ処理を行い、顧客であるR. Brooks Associates Inc.社に提出した。正確な位置情報を計測するために、スキャンは場所によっては断熱材をはがし、部屋から部屋にわ
たる配管を合計80 か所で実施した。 そうした配管の中にはホット状態、すなわち放射線を帯びた状
態のものも含まれる。 結果はJPEG のフォーマットに位置情報の注記を付けた形で納入した。 当初
の計画ではMicrostation の配管CAD データで納入する予定であったが、プロジェクトメンバーの意
向で、位置情報付きのJPEG フォーマットの方が、そのあとのエンジニアリングを進める上で使いやす
いことが判明し、その形での納入に変更した。 この位置情報は、とくに配管における気泡発生の箇所
や溜まりやすい個所などの分析に重要である。 担当者の話によると計測データから、配管の正確な
中心ラインを求めるのにかなり苦労したとのことである。
現場での留意点としては、放射線対策が重要であった。 制約が大きいためにスキャナを自由な平
面におくことが許されず、非常に不安定な状態で計測しなければならないところもあった。 重装備な
防護服を着用しているために、蒸し風呂のような暑さとの戦いでもあった。 もちろん、こうした放射線
対策のための費用は、被ばく量限界での作業のために良くつかわれているALARA トレーニングをは
じめ、予算として計上されていた。
Solberg 氏は、HDS6000 のスキャナを装備したのは、まさにこうした核施設への対応力を高めるため
であり、今後この特殊な要請への対応力、技術力に磨きをかけて、このマーケットに力をいれていく、と
言っている。 これまで、短距離タイプのスキャナを中心に展開してきたが、昨年の9 月に
Cincinnati-based Berding の3D スキャナを装備し、長距離への対応を含め活動の範囲を拡大できるよ
うになった。
Exact 社は、これまで指先の指紋のような小さい世界から脱皮し、HDS6000 のスキャナを使って、製紙
工場、自動車組立工場、鋳物工場などの大型構造物の世界に乗り出す予定である。

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