Trimble社は昨日トータルステーションをベースにした3次元スキャニングとビデオ機能を統合した新しい計測器を発表した。 Trimble社の3Dスキャニングソリューション担当の Omar Soubra氏によると、このVX Spatial Station は、既存の3Dレーザスキャナと競合するものではなくて、調査会社にとって3Dスキャンの価値をさらに高めるために利用されると言っている。 この新しい計測器は1秒間に最大15点(通常は1秒間に5点)のスキャンを行い、最小の点間距離は10mm である。このシステムにはVISIONと呼んでいるビデオ動画記録と画像記録の機能も具備している。 この機能は現場でデータ収集ソフトウェアを使って画像を連続して採取するときに、測定時間を短縮し、品質を高めることを目的としている。 ユーザはコントローラのタッチスクリーンで測定に必要なターゲットを遠隔操作で選び、その対応する点がビデオ動画にも反映される。 この技術により、現場でビデオを再現して位置データを重ね合わせて表示することができ、現場を離れる前に十分なデータが採取できたかどうかリアルタイムで確認することができる。 動画画像から静止画も取り出すことができ、品質管理やプレゼンテーションにも使われる。
この計測器の力はなかなかのものである、とSoubra 氏は語っている。 単なる点群データではないし、絵でもない。 まさにそうした新しい組み合わせなのである。 従来型の測量計測器も多々使われている。 VX Spatial StationとTrimble社のRealWorks Survey ソフトウェアを使って、デジタル画像、3次元表面計測そして離散系の点データなどを統合化していくことができるようになる。
この製品により、Trimble社の調査事業は二つのマーケットに分けて体制を整えていくものと考えられる。 ひとつはいわゆる統合調査(Integrated Surveying)で高精度の位置決めツールのトータルステーションやGPSシステムを中心としたビジネスである。 もうひとつは、新しい領域として空間画像(Spatial Imaging)と言うべきもので、形状取得、画像処理とビジュアライゼーション、この新しいVX Spatial Station、それにTrimbleで持っているGX 3D スキャナなどからなるツールで提供していくビジネスである。
この計測器の価格はまだ公表されていない。 おそらく、今日のトータルステーションと高性能3次元レーザスキャナとの間の価格、つまり800万円前後になるのではないかと想定される。 3月末には明らかにされるであろう。
January 30, 2007